2008/05/14

カザミドリ(5月)

 
荷造りをはじめた夜に
雨がふる

いつもの道も
横切る列車も
ピアノのつぶで
きらきらひかる

うまく言えないこのことを
浮かれた気分を
記録しなきゃと思うのに
カザミドリのぐるぐるまわる
風が吹く

気分にまかせて
歩けば良いのに
わたげのあたまは
海をこえる

このイメージのために
キーを叩く

このフレーズを何度も
繰り返す

赤いポットは置いていくよ
まとめはもうできているから

新しい町には歩いて向かう
手紙が飛び交うこの道を

風と緑が巻き込んで