2007/07/11

ゆめだけ

 
ゆめだけ
覚えている

ベッドできいて
しあわせになった

こんなに素敵な
ゆめがあるのかと

からだがとろんと
ひっくりかえった

ただそれだけの
ひとだったけど

ゆめだけで
生きていけると思って

ねむりについた
ゆめだけで

生きていける
ゆめだけで

とろけていきそう
たいせつなゆめ
 

まってる

 
ずっとまってると
言っているおんなの子

まってるからと
ずっとまたされてるのは
きっと
おれのほう

おまえがまってるよりも
ずっとずっと
おれ はまっていたけど

ずっ とまってるとなんか
言わないで

はやくちがうおとこの方へ
いけばいい

いってほしい

おまえがいってしまう
せなかが見える
おれはま だまってる
 

砂のテーブル

 
5、6年のつき合っていた時間は
すぐに戻ってきた
ただ恐ろしくも感じた
こんな風に

砂でテーブルを作り
食事をしながら目を見て笑う
でもあなたよ
それは砂なのだ

食卓のうしろでは
ピアノが速度を落とし始め
一粒一粒終わりに近づいていく

思い出すと
涙さえでてきた

さらさらとして
ふんわりともしていた

涙をぬぐった手で
砂をすくい
二度と崩れないようにと
固めた
 

2007/07/07

スケッチ

 
自由を空に思い浮かべば
炭素化するのも
バレエのように
白いキャンパスに
軌跡が
ふりそそぐ
 

ジャミング

 
音楽が泣くときは
ハインハット
ドラムのちぎれる音が
空気を
飛び交いまるで
ジャミングみたいに
そっとしたい気持ちを
かき乱す
 

東京区

 
へいせいもまれ
こうそうそだち
かりそめやつは
だいたん
ともだち
いっぽんぎーの
ぎろちんぽで
なよなよあそんで
いっちょ
くないで
たいしをいだいていきていきます
 

2007/07/06

朝の光景

 
午前4:00
切り絵のように
朝が浮かびあがり
すべてを知っているかのような
創造主のふるまいで
世界のことを
考えてみる

朝が来るたびに
新たな気持ちが
わき上がってくる

たった一人の人間が
何万回も
生まれ変われる

朝に生まれ変わるという言葉が
今すぐほしい
 

宿題

 
谷川俊太郎が怖いよ
覚悟がないと
フリーダムに行けてしまうのか

人を食ったあとは
昆虫みたいな目に
切り替えて
ひっそりと遊んでいるらしいよ

玄関を開けたら
死体だったこと
俺は忘れないけど
彼はもう忘れてしまっているよね

恥ずかしがりもせず
蝶のような身体を
放り出して
なんてアンバランスな

彼みたいに
空白の多い人生は

推測は
鼻に詰め込んで
俺はまた目の前の書類を
かきかきと埋めなきゃ行けないんでしょう
 

はしる

 
はっと、
言って
空気にひざを切込んで

人間の幸せと
動物の営みが

ドキドキするほど
混じり出す

にじみ出る
油が炎の道となって

はしると言うことを
はるかかなた追い抜いて行く
 

あるく

 
もう帰ろうと思って
足にのっかったわたし

でも
自分で作った原子炉が
溶け出して
あの人を殺してしまったら

知らない人が作った
あの人が
原子炉を溶かしてしまったら

けれど
核ってひとりひとりに
あるんだっけ?

あるくと漏れたり
しないんだっけ?
 

That's Enough For Me

 
幸せの定義を
誰がはじめに残せるのか

歩き疲れて
モータウンの幕を開けた

小声でコーラス
してる女の子に
神様はもうゆだねたい
気がしてる
 

2007/07/05

カザミドリ2

 
人生のまとめは
駅のホームで繰り返していた

やらなくちゃ行けないことは
生まれた時に決まってた

父や母がくれたもの
最初で最後のプレゼント

からだが風になった時に
分かったことがいくつもある

自分が奏でるピアノの音も
TV画面に映る景色も
同じようにここち良かった

春の嵐が
過ぎ去る前に
まとめてしまうのも
悪くはないね

最後のページは
愛だって

いつもの話も
悪くはないね

寝床はいつも
あの丘の上

カザミドリがでたらめに示す
あの丘の上
 

言葉論

 
言葉はおケツ。
交換自在の尻軽だけど、叩けば光る。
 

ソースティス(solstice)

 
長電話した5000円を
片道切符に変えて
会いに行きたい

日曜日を集めちゃって
夏休みにできたらいいのに

でもセミは
7日間しか生きられないって
かなしいやんかぁ

言うてる君の
セックスは
もう全身、脱皮しそう

飛んでいって思い出した
あり地獄を探して過ごした
たった一人の夏だった

もしここで
好きって気持ちが
はりさけたら
どうなってしまうのやろうか
 

コブラ

 
ヘビみたいな腕で
ちゅーして来たりして
まじで寒気する

まだらみたいな
好きと嫌いで
胸をしめつけてくるシー

コブラブラブラ
セーターからこぼれ
そうら
 

空き缶

 
ぎりぎり缶の
離ればなれの夜は
きっときみも
一生分のせつなさを
今日も感じているのだろう
 

あおぞらかりんご

 
ゆびでりんごの皮をむくように
ふれたほほにはるか道がつづいてく

きりさく雨もふりきって
これからさきぜんぶ

あおぞらかりんご
 

マイレター

 
キラメッキ
キンノメッキ

ワガレター