朝から薄暗く、
なんとなく居場所がないような日だった。
サーという音で軽い雨が降り、
途中虹が出ても、少ししつこく雨が降った。
傘をさしても湿気がまとわりついて、
気が晴れない。
家に帰るとすぐ電気をつけた。
TVもつけた。
-
ミルクティーでも飲もうと、
キッチンでお湯を涌かしていると、ふいにTVの画面が見えた。
のび太がまたさぼって、学校の裏山で寝ころんでいた。
山と言うには険しさの足りない、丘のようだった。
心地良さそうに、のび太は寝ていた。
雨の音の、遥か向こうに、そんな丘があるらしい。