2007/06/20

3雨と遠くの土

 
雨の音で目が覚めた。

静かな雨音だったけれど、気になって眠れなかった。

結局、夜中に起きてから朝になってしまった。

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最悪、と思いながらカーテンを開けた。

薄暗い空に、高い鉄柱が立ちはだかっている。

見るからに黒々として、ハリねずのようだ。

遠くの方から、土の匂いがした。
風でまきあがった懐かしい匂いがする。

遠くの大地の匂いだ。

雨がまた来る。