2006/12/13

糸巻き

 
水のような無限の形を作ることはできるのに、
金属のような固まりをからだは作ることができくて、
くやしい。

真ん中から一つぐらいでてきてもいいはずなのに、
絹のように、ただなめらかでいることしかできない。

冬は、薄肌が波紋にたゆたう。
ガスや光に反応しては、小さな羽虫みたいに震える。

夏は風に、全神経がそよがれて、
空に白い線が、さわやかだった。

ただの一つも金属を生まずに死んで行くことが、
むなしくて、私は糸巻きのようにしぼんでいくのでしょう。
ね運命。